洛南高校に合格した生徒に、この一年についてインタビューをさせてほしいと頼んだ。
できれば後輩たちにも何か伝えてほしいと。
彼女はにっこり微笑んで照れてはいたが断るそぶりは無い。
そういえば、一度も断ったことなんて無かったかもしれない。
こちらから与える課題も、急な授業変更も、抜き打ちテストでさえも嫌な顔ひとつしない。
「あの子は人を3回やってるんだよ」と冗談めかして言ったことがあるが、あれから一年ほど経ち、いよいよ本当なんじゃないかと思い始めている。
そんな特別な生徒だった。
本当の勝負は来年。
塾の力で、システムでそこまで持っていく必要がある。
偉大な先輩に対して縮こまらせず、受験生たちを最大限引き伸ばすあらゆる策を考え実行しよう。