「ああしろ、こうしろ」というのは、
実は一番簡単で、
大人と子どもという立場や、
先生と生徒という立場を使えば簡単にできてしまう。
そんな子に限って従順に見えてすこぶるやりやすい。
こちらが与えたものを着実にこなしてくれる。
もちろん、その力も必要。
それが前提にあって社会は回っている。
でも、
与えられてこなすの関係はずっとは続かない。
生徒たちはみんな、いずれ卒塾していくし、
子どもたちはみんな、いずれ大人になる。
与えられたものを着実にこなしていく大人になる。
じゃあ、その次は?
自ら疑問を持って、自ら考えて動けるようになってほしい。
そんなのはもうクセのようなものだと思う。
「じゃあ、今日から自分でやって」はできない。
だから、自らやるということを習慣のレベルまで持っていかなければならない。
少しずつ手を放していく。
自分の内から出てくるもので勉強をできるようにしていく。
中3生が一人、
今回の湊テストの結果を受けて自ら動き出した。
危機感を感じたのかもしれないし、スイッチが入ったのかもしれない。
こういうときは、待つしかない。
彼が求めているものを与えて、じっと待つ。
今、大半の生徒がそうじゃないとしても、
受験生に近づくにつれてそうなるようにしたいと思っている。